Twitterをボーっと眺めていたら、左端のところに「おすすめユーザー」というものが出ているのに気付いた。
一番上に「ドランクドラゴン鈴木拓(本人)」と書かれているアカウントがあったので、「本当に本人だろうか」と思いクリックした。
本人だった。有名なお笑い芸人なのにフォロワーが58000人しかいないのは、炎上が理由で一度削除したからだろう。
「クズころがしという本を出しました。処世術の本です。自己啓発に近いです。これを読んで実践すれば出世すると思います」というプロフィールを見て、「本当にこんな本出ているのだろうか」と思い検索してみた。
あった。
目を疑うくらい真っ白な本だ。
レビューを見ると「気軽に読める」「手軽に読める」「とにかく気楽に読める」と、「読書」のハードルを大幅に下げてくれるコメントばかりだったので、最近はエロ漫画を読むツールとしてしか活用していなかったkindleにすぐダウンロードした。
面白い。
とにかく面白いのだ。
自分が抱いていた悩みや、生きる苦しみを吹き飛ばしてくれるような力強い「クズ加減」。
本の中で「12年続いたレギュラー番組が終わるので、最後くらい暴れてやろうと思ってブログを開設したらそれが評判になった」とあった。
「暴れる=ブログ開設」という彼の思想にも驚いたが、もっと驚いたのはそのブログの見事な完成度だった。
2008年07月のブログ|ドランクドラゴン鈴木拓ブログ「相方に捨てられるその前に・・・」by Ameba -4ページ目
2008年07月のブログ|ドランクドラゴン鈴木拓ブログ「相方に捨てられるその前に・・・」by Ameba -3ページ目
負けた、と思った。
面白い。それもオチに展開していくまでの構成力などが完璧で、さすがお笑い芸人だと思わせられた。やはりテレビなどで見るダメ人間っぽさは一面でしかない。
開始した2008年ごろの記事から読み始めたのだがどれも秀逸で笑えた。「他の芸能人のブログみたいに宣伝や食ったメシなどクソみたいなことを書くのはバカだと思った」と本にあった通り、ほとんどテキストで日常を鈴木さんなりの目線で切り取っていた。一日に55万PVあった日もあるという。
『始めた当初は面白くても、今はもう番宣ばかりだろう』と思い最新の記事を確認したらやはり今も面白いネタ記事で脱帽した。
中傷されることや炎上を恐れて中々文章を書きだせない自分を恥じた。8月下旬には本も出るのに、いつまでもウジウジしている場合ではないし、いつまでも柏木由紀さんのツイートに付くリプライを監視している場合ではない。立ち上がろう、そう思った。