ライター兼シンガーソングライターのほそいあやさんが中野にきた
もう半そで
「誕生日だからご飯おごってやんよ」
って言われてロールキャベツにした
あやさんはビーフシチューっぽいのを頼んでいた
パンかライスか選べるらしくて私はパンを選んだ。
パンを選んだというよりはバターを食べたくて選んだ。
わたしの好きな食べ物は魚介類、にんにく、オリーブオイル、そしてバター。
激安婦人衣料品店のらこっととか、
デイリーチコの8段ソフトとか、ふたりでブロードウェイを散策
哲学堂にも行ったし、フェレット専門ショップも見た。でもフェレットよりウサギに興味があるようだった。
中野セントラルパークというパンキッシュな名前の中央公園でおしゃべり。
「コンビニコーヒーでも飲もうか」
と言ったのにお互い全然コーヒーじゃないものを選んだ。
「晴れの日は紫外線が強くて嫌だけど、今日くらいの天気は外にいるのがちょうどいいんよ」とほそい氏
プレゼントにコメダ珈琲のコーヒーチケットをくれた。
「物をあげても失くしそうだったから」
とほそい氏。
氏の言う通り、私は物をすぐに紛失する。
耳かきも、目薬も、マスカラも、賃貸契約書も何もかも見つからない。買ったそばから失くしていくタイプの独身女性だ。
「わたしも、暇ちゃんも、気が強くて思ったことを何でもズバズバ言っちゃうタイプだから、いつかケンカ別れしないか心配」
いつだったか、そんなメッセージを受信した。
確かにどちらも「さわるなキケン」系のハードロック・ウーマンだ。
食べ物に例えるならシュワシュワ刺激の「わたパチ」だろう。
わたパチ
「うーん、そうだなあ…」と私も悩んだが
「まあ…ケンカはしないということにしておこう」
「そうだね」
と、友好条約的なものを結んで落ち着いた。
そういえば、女友だちに誕生日をお祝いしてもらうの久しぶり、と思った。
夏になれば、私のプレゼントセンスが大いに試されることとなるだろう。