桜も散り、いよいよ「暖かい」から「暑い」季節に変わるのかしらとワクワクしていた矢先にみぞれが降るほどの寒波がやって来た。
中野に引っ越したと大々的に喧伝してから何日か経つ。自分の住んでいる街を明かすということに抵抗はあったのだが、明かしてしまえばむしろそちらの方が気楽なようにも思えてくる。いっそのこと中野特集を組んでしまうのもいい。
「今日これ食べたよ」
友だちとはそういう他愛もない話を交わす存在だ。だから人々はFacebookに飯の写真を載せ、慈悲深い彼または彼女の友人たちは「いいね!」という記号でそれに応える。
「中野という街を自慢するのはその辺でやめろ」
友人にそう言われたのは中野飯の写真を彼女に送りつけ始めてから2日目のことだった。
『食べた飯の写真をFacebookにアップする奴はイヤミっぽいしダサい』という先入観があったため、本当に仲の良い友人だけに直接LINEで送ろう、そう思っていた2日目に「やめろ」という通告を出されてしまった
行き場をなくした私の中野飯写真たち。このままスマートフォンのフォルダの中でグズグズとただ容量を食いつぶすだけの存在に貶めるのも惜しい。
このブログに急に飯の写真が上がったのはそのためだ。
ここでは「いいね!」も何も求めない。
報われない思いをただ発散させてほしい。
友よ、慈悲深き我が友よ。聞いてくれ。
中野の飯は、旨い。