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佐田清澄のすべて

I'm your bad dream

静岡

ここ2,3日「サイレントヒル」というホラーゲームの実況動画をyoutubeでずっと見ていた。ゲームの中に現れる恐ろしい化け物と、それにいちいち驚くユーチューバ―のリアクションを見ていると色んなことを忘れられた。

 

あいつとのしがらみも、終わったと思ったらまた近づいてくる締め切りも、恋人との確執も、前夫との諍いも、イスラム国の横暴も、体重の増加も、未来への不安も全部忘れられるような気がした。恋人と前夫は元々いなかった。

 

サイレントヒルの世界は「裏世界」と呼ばれるパラレルワールドで、異形の者たちが血やゲロや毒霧など色んなものをぶちまけながら歩いている。碧い眼をした主人公たちはライフルや鉄パイプなどでそれらをひたすら殺していく。残酷で、非情で、地獄のような世界だが、なぜか同時にその世界に「癒し」を感じるようになっていた。正義と悪というものがはっきりと分かれていて、「殺す」という目的をただ繰り返していけばいいだけの世界。

 

敵か味方か分からないものたちがうろつく中、自分が何をすればいいかという明確な目的も分からず「法」や「社会」という見えない怪物たちに縛られながら仮初めの「平和」で目くらましされているこの現実のほうがよほど地獄のようである。

 

だからわたしは画面の中の、下半身がむき出しになっている一つ目の化け物を見て恍惚を覚えるのだ。思えば「水木しげる」や「ハリーポッター」、「ティムバートン」など、自分が今まで夢中になっていたものは全部異世界を描いたものだ。「マイケルジャクソン」も大きなくくりで観察すれば異世界の住人だろう。

 

いまわたしが書いているのはほとんど全部実体験に基づいたエッセイ的なものばかりだが、いつか自分のように非現実にしか興味を持てない人間たちをどっぷり夢中にさせてあげられるような不快で虫唾の走る、それでいてエクスタシーを感じる物語を書こうと思う。

 

あとユーチューバ―になりたい。