佐田清澄のすべて

I'm your bad dream

芸を磨く

安定したい。

 

安定がほしい。

 

生理痛もひどい

 

毎日毎日若手クリエイター仲間と「安定したいね」「結婚したいね」「お金持ちになりたいね」「デビューしたいね」と言い合う日々。

 

不安で不安で頭がおかしくなりそうだったのでついに親父に電話をかけた。

 

「家賃とかちゃんと払ってるよ。大丈夫だよ。」と最初は平静を装っていたが、何となく「毎日がつらい」「不安」「部屋が狭すぎて太る」と愚痴をこぼしていた

 

「これくらいしか稼いでない」「もっと成功したい」と言うと

 

「それだけでもすごいじゃないか」「成功してるし、もう有名じゃないか」と言ってくれた

 

「依頼されてる仕事だけじゃなくて、もっとフィクションとか、違う分野の文章も書いて『こんなのも出来ますけど』ってアピールしてみるのがいいんじゃない?」と言っていた

 

山崎豊子さんみたいに揺るぎない存在になりたい」と言うと「山崎さんは多分、有名になりたいとか一つも思わず、ただ小説を書きたかったんだと思う」と言われた。

 

ごもっともだと思う。

 

いつからか私の胸には邪念ばかりが巣食うようになった。

 

何とはなしに「安定したいからもう大金持ちと結婚するしかない」と言うと少し黙って、「お父さんが死んだあと、この家とアパートと預金をあげるからお姉ちゃんと2人で分けなさい。そうすれば仕事がなくなっても生きていけるだろう。お父さんが生きている数十年はお金の心配はないから、その間に芸を磨きなさい」と寂しそうな声を出した。

 

何も言えなくなった。

 

生理痛がひどい。