佐田清澄のすべて

I'm your bad dream

午後2時 まっくろな麦茶を飲む

 

 

 

春だ春だと人が騒いでいる

 

 

 

わたしはいつも朝起きて一番はじめにツイッターを開く

 

 

「今日は雨が降っているけれども暖かい」

 

そんなツイートを目にした

 

 

 

カーテンをあけると外はどんより曇り空だった

 

 

部屋の中にいても、寒い

 

暖房をつけているのに、寒い

 

 

人々が言うように外に出れば暖かいのだろうか

 

晴れの日でもないのに室内よりも外の方が暖かいなんていう現象が果たしてあるのだろうか

 

 

そう思いながら再度ツイッターを開き

「寒い」で検索してみる

 

何百件もの「寒い」がそこにはあり、「ああやはり今日は寒いのだ」と思う

 

こんどは「寒くない」で検索してみる

 

 

「今日は思ったほど寒くない」

「あんまり寒くない」

 

「ねえ、今日寒くない?マジ寒くない?」

「『今日はあんまり寒くない』なんて言ってたやつ誰だよ!寒いよ!」

 

など様々な「寒くない」がそこにあった

 

 

 

自分で外の気温がどれほどのものか確かめてみたいのだが窓を開ける勇気もドアを開ける勇気もない

 

近くのコンビニに「そら豆」を買いに行きたいのだが寒さに立ち向かう勇気がない

 

 

 

 

米を炊いて食べようかと思うが水の冷たさに触れるにも勇気がいる

 

 

バレエの先生にこの間「踊っているのにどうしてこんなに手が冷たいの?冷え性なんじゃないの?」

と言われた

 

 

わたしは他の人間よりも体感温度が低いのかもしれない

 

 

 

毛布を身体に巻き付けひどい寝癖のまま猫背でこの文をタイピングしている私にももうすぐ春はやってくるのだろうか